【本記事はサムライカレープロジェクトを主宰している森山たつをさんより寄稿頂きました】

突然ですが、私は今、カンボジアのプノンペンでカレー屋を作っています。
サムライカレープロジェクトという研修プログラムで、大学生4人と一緒に「サムライカレー」というお店をつくっているのです(正確に言うと、既に営業中のバーのランチとしてカレー屋をつくっています)。

看板にクメール語で「サムライカレー」と書きたいのだが…

現在のサムライカレーの店舗
現在のサムライカレーの店舗

このサムライカレープロジェクトを2週間やってきて、若い大学生の成長を肌で感じています。彼らは日に日に自分で仕事を見つけ、自分でやり方を考え、自分で実行するようになっているのです。
例えば、カレー屋の看板を作る必要があります。そもそも、看板ってどこで作ればいいのでしょう?いくらくらいするのでしょう?看板にクメール語で「サムライカレー」と書きたいんですが、どうすればいいんでしょう?
待っていても誰もやり方を教えてくれません。そもそもプロジェクトメンバーにやり方を知っている人はいません。だったらどうする?ここがスタート地点です。
看板屋を探す方法はいろいろあります。現地の電話帳を探してもいいし、日本語フリーペーパーに載っているかもしれません。でも、もっと手っ取り早い方法があります。看板を出している日本人のお店のオーナーに聞くことです。あっさり看板屋の電話番号ゲット。
クメール語でサムライカレーと書くために、とりあえず、Googleでクメール語のIMEのインストールの仕方を検索して実行。その後、英語が喋れるカフェの店員に「SAMURAI CURRY」って書いて!とお願いします。
イラストレーターで作った看板のデザインに慣れない手つきでクメール語を書いてくれた女の子にありがとうを言って、完成!さっそく、看板屋に電話をして場所を聞いて、店に持っていきます。
が、ここで問題発生!
看板屋に印刷してもらう前に「この文字読んでみて」とお願いすると、「サラムイカレー」。
間違ってんじゃん!
むしろ、彼らにやって欲しいことは、「失敗」です

むしろ、彼らにやって欲しいことは、「失敗」です

クメール語は独自の文字を持っており、コンピュータへの文字入力が難しいのです。そして、PCを持っている人もまだそれほど多くないので、ちゃんと入力できる人もあまり多くない。カフェの女の子が慣れない手つきだったのはそういう理由です。
印刷屋で辺りを見回してみると、いろんなドキュメントを印刷屋が入力しています。おばちゃんが、手書きの書類を持ってきて、印刷屋の店員に代理入力してもらって印刷をしているようです。
昭和の日本の会社では、おじさんが手書きで書いた書類を一般職のお姉さんに清書してもらうなんてことがあったようですが、21世紀のカンボジアの街角でも同じようなことが行われているのです。
今回、たまたま印刷屋を通したので、この間違いを発見できたのですが、これがセルフ印刷のチラシだったり、Webページのバナーだったりしたら発見できなかった可能性があります。「サラムイカレー」のまま、チラシやWebページが流通してしまうのはちと困ります。このような失敗をしないよう、今後は「クメール語は必ず、複数のカンボジア人に読んでもらう」というルールをつくりました。同じ過ちは二度としないように仕組みをつくる。仕事をするに当たって非常に大事なことです。
このような「失敗」をすることは、このサムライカレープロジェクト的には全く問題ありません。むしろ、彼らにやって欲しいことは、「失敗」です。
多くの人が、やりたいことをできない理由は「失敗が怖い」からです。
だれだって、失敗は怖いし、失敗した後のことを考えなくてはなりません。
でも、研修プログラムであるサムライカレープロジェクトでは、失敗しても最終的に責任を取るのは我々主催者です。そして、主催者は、リカバリするための行動をとったのであれば、失敗に関して何かを追及することはありません。
だから、どんどん失敗して欲しいんです。
そして、失敗したあと、どうやってリカバリをするか学んで欲しいんです。

若い参加者がのびのびと活動

失敗しても、何とか自分で挽回することができたという体験があれば、これからも失敗をすることができます。失敗することに慣れていけば、自分でリスクを取って周りの人を巻き込むような提案ができるようになります。そうやって複数の人の力を動かせるようになれば、大きな挑戦をすることができるようになります。
自分の力を肯定し、人を巻き込み、自分の力以上のことをできるようになると、人生がどんどん楽しくなります。私は、まさに今そんな状態で、飲食とか一切やったことないのに、なんか「店長」とかやってます。
こんな風に考えて始めたこの研修プログラムですが、思った通り若い参加者がのびのびと活動をしているのを見ると楽しくなります。いま、この原稿を店の隅っこで書けているのも、彼らが勝手にやることを決めて街に繰り出しているからです。
「ゆとり世代」と揶揄されている世代ではありますが、別に彼らがなにか悪いことをしたわけでもないし、劣っているわけでもありません。きちんと機会を与えれば、彼らは勝手に成長していきます。
もうしばらく、カンボジアで、彼らの成長を見守っていきたいなと思っています。
このカンボジアでカレー屋の起業体験をする研修プログラム「サムライカレープロジェクト」は、老若男女どなたでも参加可能です。一期4週間の研修で、大学の春休みや転職の際の休暇などにご参加頂けます(有料。2週間などの短期も対応します)。

ご興味のある方は、こちらからグローバル就職・インターン情報ナビまでお問い合わせください。Skype面談も随時受け付けております。